Welcome to Laboratory of Microbiology !
微生物学研究室へようこそ!

微生物はこれまで様々な形で人類の福祉に貢献してきました。古くは発酵食品の製造に始まり、抗生物質の生産、近年では抗がん剤や高脂血症治療薬のシーズとなる化合物の生産などがその例です。こうした実用的な用途に加え、微生物は生命の成り立ちを理解するための基礎研究のツールとしても大いに活躍してきました。微生物学研究室では、こうした有用な微生物の性質をより深く理解するとともに、その高度利用を目指して、真核微生物である麹菌などの糸状菌を対象にした研究を行っています。

麹菌は我が国で日本酒や味噌・醤油などの食品製造に長く用いられてきました。こうした食経験に裏打ちされた安全性と、ひときわ高いタンパク質分泌生産能力などの利点を生かし、有用タンパク質生産の宿主としても利用されています。当研究室では麹菌に対して様々な角度から基礎的な解析を加え、そこから得られた知見に基づいて応用研究を展開することを目指しています。ヒトの約半数の遺伝子を持ち、様々な形態的・機能的分化を行う麹菌は動物など高等生物のモデルになるとも考えています。

一方、最近は糸状菌として長い研究の歴史を持つアカパンカビやイネいもち病菌にも研究の対象を広げています。アカパンカビは有性世代が確立しているため古くから遺伝学の材料として用いられてきましたが、近年は糸状菌として初めてゲノムワイドに遺伝子破壊株ライブラリーが作製されるなど、糸状菌の中のモデル生物としてその重要性がますます注目されています。イネいもち病菌はイネへの感染時に特殊な細胞構造を分化させるユニークな生物で、当研究室ではそのメカニズムを独自の視点から解析しています。

以上のように、微生物学研究室では基礎的な分野を中心に、応用に近いテーマまで、幅広く研究を行っています。様々な方面からの研究をバランスよく進めることで、生命現象の本質に迫り、微生物をよりよく理解してその利用価値を高める手段を見つけることができると考えています。

研究は毎日が小さな発見の連続であり、大きな発見はそれを少しずつ積み重ねた延長線上にあります。自分自身で見つけたオリジナルな発見を大切にし、研究に真摯に向き合い、研究室の仲間と助け合い切磋琢磨しながらより高いレベルに成長することを目指す、元気あふれる諸君の参加を待っています。

Laboratory of Microbiology
Department of Biotechnology, Graduate School of Agricultural and Life Sciences
The University of Tokyo

東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命工学専攻
微生物学研究室